「自社の調達活動を通じて、もっと直接的に社会課題の解決に貢献できないだろうか」——ESG経営やSDGsへの対応が急務となる中、日々の備品選定や業務発注のあり方に悩む法人担当者は少なくありません。そこで今、新たな選択肢として注目を集めているのが、障がい者就労施設との協働による商品購入や業務連携です。日常の購買活動を見直し、現場との丁寧なすり合わせのもとで調達に組み込むことで、地域社会における多様な働き方の支援を無理なく継続していくことができます。
私たちMiYO ORGANIC(ミヨオーガニック)も、竹歯ブラシをはじめとするサステナブルなアメニティを通して、環境への配慮はもちろん、滞在中のデザインや使い心地に一切妥協のないプロダクトをお届けしてきました。そして現在は、社会福祉法人名古屋ライトハウスとパートナーシップを結び、製品の検品やアセンブル工程で就労継続支援事業の利用者の皆さまに参画いただく取り組みを進めています。
本記事では、就労継続支援B型事業所との連携を軸に、企業が日常の調達や業務プロセスの中で果たせる役割と、CSR・ESGにおける本質的な意味について整理してお伝えします。
障がい者就労施設との協働が持続可能な経営にもたらす意味
障がい者就労施設との協働は、一過性の寄付や一時的な支援とは本質的に異なります。日常の購買プロセスそのものを通じて継続的な雇用や作業機会を生み出し、事業活動の中に社会的価値を組み込んでいくアプローチです。
たとえば宿泊業では、アメニティや客室備品、館内販売品など、日々一定量の調達が発生します。ここに就労施設との協働を組み込むことで、ゲストが手に取る一品の背景に、地域で働く人の丁寧な手仕事や、環境への配慮、おもてなしの姿勢が静かに込められます。疲れた夜に客室へ入り、必要なアメニティをサッと使いたい。そんな利用シーンにおいて、使い心地と社会性の両方に配慮された備品は、企業の真摯な姿勢を雄弁に伝えてくれます。
また、ESGの観点では、環境(E)だけでなく社会(S)への具体的な貢献がサプライチェーン全体に求められています。厚生労働省の定義によると、就労継続支援B型は一般企業での雇用が難しい方に対して生産活動や能力向上のための訓練を行う福祉サービスとされており、施設との協働は社会的包摂を推進する具体的な実践例となります。購買データと連携して「どのような業務を託し、どう還元されたか」を可視化できるため、実体を伴った透明性の高い開示にもつながります。
さらに、調達を通じた取り組みは、社内の理解醸成にも大きな意味を持ちます。社員が自社の扱う備品やノベルティの背景にあるストーリーを知ることで、サステナビリティが一部の専門部署だけでなく、自らの日常業務と繋がるテーマとして浸透しやすくなります。
その一方で、社会性だけを前面に出しすぎると、調達の本来目的である品質、使いやすさ、納期とのバランスが崩れてしまいます。実務で長く続く協働にするには、プロダクトや業務としての完成度が高いこと、綿密なコミュニケーションと安定した供給体制があることが不可欠です。CSRやSDGsの文脈は大切ですが、それだけで選ばれる時代ではないからこそ、企業にとっては「実用性と社会性を妥協なく両立できるパートナー」を見極める視点が重要になります。
パートナーとしての就労継続支援B型事業所の理解

就労継続支援B型の基本的な役割
就労継続支援B型事業所は、障がいや体調面などの事情により、雇用契約を結んで働くことが現時点では難しい方に対して、働く機会や訓練の場を提供する福祉サービスです。一般就労へすぐ進むことだけを目的にするのではなく、その人らしいペースで作業に取り組み、生活リズムを整え、得意なことを伸ばしていく役割も担っています。
厚生労働省の案内によると、B型は非雇用型の就労継続支援として整理されており、生産活動やその他の活動の機会の提供、就労に必要な知識および能力向上のための訓練などを行うサービスです。
法人側から見ると、B型事業所は単に作業を受ける場ではなく、支援員や専門職が利用者一人ひとりの特性に合わせて工程を整え、作業品質や継続性を支える体制を持つパートナーです。社会福祉法人名古屋ライトハウスでも、就労継続支援B型に加え、就労移行支援など他事業と連携しながら、利用者ごとのニーズに応じた働き方支援が行われています。
B型事業所の特徴と、協働における作業設計の視点
就労継続支援B型事業所は、一人ひとりの体調やペースに合わせた柔軟な働き方を前提としながら、丁寧な手仕事や細やかな作業を得意とする人々が社会参加を果たす重要な場です。
法人が協働を実務に落とし込む際のポイントは、「人手を置き換える」のではなく「業務の工程を分解・再設計する」ことにあります。作業ステップを標準化し、判断基準(検品ライン等)を明確に可視化することで、施設側の強みである高い集中力と丁寧さが最大限に発揮されます。
ホテルや企業の調達業務において、具体的に協働を組み込みやすいプロセスには以下のような領域があります。
- アセンブリ(セット組み)・個別包装:アメニティの袋詰め、ノベルティやギフトの箱組み、リボン掛けなど、仕上がりの美しさと丁寧さが求められる作業
- 高精度のシール・ラベル貼り:パッケージへの貼付作業において、位置や角度のズレをなくすための治具(ガイド)を用いた確実な手作業
- 最終目視検品・数量確認:機械では判別しにくいパッケージの微小な傷や汚れ、印刷のかすれなどをチェックする品質管理プロセス
- 軽作業・封入作業:ダイレクトメールや宿泊案内用ペーパーの折り加工・封入・封かん作業
施設との協働は、単なるコストや作業の「外注」ではありません。自社の品質基準を共有し、工程設計をともに整えるプロセスを通じて、サプライチェーンの中に強固で高品質なパートナーシップを構築していく取り組みです。
就労継続支援の区分と、業務設計における捉え方
障がい者就労支援の仕組みには、B型のほかに「就労継続支援A型」や「就労移行支援」があります。これらは優劣ではなく制度上の目的や雇用形態が異なるため、自社の発注体制や求める工程に応じて適切な関わり方を選択することが重要です。
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区分 |
雇用形態・稼働の特性 |
企業側の調達・業務設計における視点 |
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就労継続支援A型 |
施設と利用者が雇用契約を結び、原則として1日4〜8時間の定時勤務を行う。 |
比較的スケジュールが固定されているため、日々一定のラインで動く継続的な業務や、スピード感が求められる工程に適しています。 |
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就労継続支援B型 |
雇用契約を結ばず、体調や特性に合わせて柔軟な時間・ペースで作業を行う。 |
一人ひとりの集中力や手作業の丁寧さを活かせるよう、工程の細分化やマニュアル化を行うことで、非常に高品質な検品やアセンブリが可能になります。 |
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就労移行支援 |
一般企業への就職を目指し、一定期間のスキルアップや企業実習を行う。 |
個別の受注業務というよりも、企業での実習受け入れや、将来的な直接雇用を見据えたステップとして連携するケースが中心となります。 |
法人調達・業務委託における主な協働領域
法人が障がい者就労施設と連携する方法は、単なる業務の外注にとどまりません。日常の調達プロセスや業務フローの中に組み込むことで、プロダクトの品質確保と持続可能な社会貢献を同時に達成することができます。
企業の実務において協働が成り立つ領域は、大きく「製品調達」と「工程委託」の2つに集約されます。
1. 完成品プロダクトの調達(購買)
就労施設や専門パートナーによって製造・パッケージ化された「完成品」を、自社の備品やノベルティ、贈答品として購入します。
- 客室アメニティ・店舗備品:ホテルや温浴施設、オフィスの来客スペース等で常用する竹歯ブラシやアメニティなど、一定の品質・供給体制が確立された製品の継続的な仕入れ。
- 企業ノベルティ・記念品:周年事業やイベント等で配布するオーガニックコットントートバッグや活版印刷のカードなど、自社のブランディングに資する製品の調達。
- 贈答用ギフト:季節のご挨拶や社内イベントなどで活用する、品質管理の徹底された菓子やコーヒーなどの食品・嗜好品パッケージの購入。
製品調達における前提は、単なる「社会貢献のための購買」ではなく、製品としてのデザイン・機能・品質が自社の調達基準を満たしていることです。プロダクト自体の完成度とサプライチェーンの透明性が担保されてはじめて、事業活動における正当な購買契約が成り立ちます。
2. 精密な手仕事が求められる工程委託(業務委託)
製品そのものの購入ではなく、自社の製造・発送プロセスの一部を「工程」として切り出し、委託する形態です。
- ギフトボックスのセット組み・箱折り(アセンブリ):角の立ち上がりや結び目の美しさなど、人の手による細やかな確認が必要な梱包・包装工程。
- 高精度のシール貼り・パッケージング:治具(位置決め用のガイド器具)等を活用し、パッケージの表示位置や美観を厳密に保つ貼付作業。
- 製品の最終目視検品:微細な傷、印字のかすれ、異物混入などを人の目で確認し、品質不良を未然に防ぐ検品工程。
- 発送資材の折り加工・封入:手順の厳格な順守と正確性が求められるダイレクトメールや案内状の封入作業。
工程委託において重要なのは、単なる「人手不足の補填」や「作業の外注」ではなく、マニュアル化と品質基準の共有による「専門的な品質管理ラインの構築」です。適切な治具の設計や相互のフィードバック体制を整えることで、自社ラインを補強する確実な業務パートナーとなります。
ケーススタディ:MiYO ORGANICにおける2つの領域の統合
MiYO ORGANIC(ミヨオーガニック)では、「完成品調達」と「工程委託」を分断せず、ホテルの客室体験を支えるサプライチェーンとして高度に一元化しています。
具体的には、2025年10月より社会福祉法人名古屋ライトハウスとのパートナーシップを本格始動。竹歯ブラシ等の最終目視検品(微細な汚れ、破損、印字不良のチェック)および個包装へのアセンブルを【工程委託】し、そこで厳格な品質基準をクリアしたプロダクトのみを、ラグジュアリーホテル等へ【完成品調達】として供給しています。
1.【調達・素材選定】
環境課題に対応する自然素材を選定し、客室の美観とホスピタリティに馴染むプロダクトを設計
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2.【精密な工程委託(検品・アセンブル)】
名古屋ライトハウス等の就労施設にて、明確なガイドラインに基づく目視検品とパッケージングを実施
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3.【完成品としての供給】
不具合リスクを極限まで排除した高品質なアメニティとして、ラグジュアリーホテル等の客室へ納品
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4.【ファクトに基づく情報開示】
作業実績や工程の透明性をデータ化し、導入ホテルのサステナビリティ開示や監査を裏付け
工程の品質管理と流通を一元化し、累計250万本以上の供給実績に裏打ちされた品質担保と、実効性のある対価の循環を両立させる。このモデルは、単なるCSRや作業の外注ではなく、「ラグジュアリーホテルが求める一貫したホスピタリティ品質」と「持続可能な社会性」を対当に成り立たせる、MiYO ORGANICならではの調達基盤です。

>>「社会福祉法人名古屋ライトハウス様」とパートナーシップを締結
導入実績|ラグジュアリーホテルが選ぶ理由

MiYO ORGANIC(ミヨオーガニック)の製品は、累計600施設以上の多様な宿泊施設・企業に導入されています。妥協のないデザイン性と品質が認められ、国内外のトップブランドで採用が進んでいます。
主な導入実績
- ザ・リッツ・カールトン各施設(東京・福岡・日光など)
- マリオット系列ホテル(W大阪、ACホテル・バイ・マリオット東京銀座、コートヤード・バイ・マリオットなど)
- ウェスティンホテル、シェラトンホテル
- GOOD NATURE HOTEL KYOTO
- MUJI HOTEL GINZA
- リッチモンドホテルズ(全国43施設にて展開)
- 森トラスト・ホテルズ&リゾーツ(国内11施設へ導入)
>>導入実績一覧
現場からの評価
単に「脱プラスチックだから」という理由だけでなく、「客室の空間価値を高めてくれる」「ゲストが持ち帰って自宅でも愛用してくれる」といった、客室体験(おもてなし)の質そのものを向上させる点が高く評価されています。
一晩で捨てられてしまうワンウェイプラスチックの常識を覆し、アメニティを「持って帰りたい特別な贈り物」に変える姿勢が、ホテルのブランディングと深く共鳴しています。
社会的インパクトの測定と誠実な情報開示
サステナブルな調達を持続的な取り組みとして根付かせるためには、導入効果や社会的インパクトを正しく測定・開示することが重要です。実体を伴わない誇張(グリーンウォッシュ)を避け、ファクトに基づいたデータを蓄積していく必要があります。
実務で管理・収集すべき指標例
- 調達実績:年間購入金額、定期発注の継続月数、対象商品数
- 社会的インパクト:委託した作業工程数、創出した作業時間、関与した施設利用者数
- 環境負荷削減:削減できた使い捨てプラスチック重量(kg/t)、CO2排出削減量
B Corp認証™を通じた透明性の担保
MiYO ORGANIC(ミヨオーガニック)は、環境や社会に配慮した事業活動を行う企業として、国際的な認証制度である『B Corp認証™』を取得しています。
サプライチェーン全体の透明性、労働環境への配慮、人権尊重に関する厳しい基準をクリアしているため、導入企業様においても、自社のサステナビリティレポートや統合報告書において、第三者検証を経た信頼できるファクトとして実績を開示していただけます。
過度な装飾や根拠のない主張を排除し、真摯に積み上げた事実のみを伝えることが、企業のステークホルダーからの確固たる信頼につながります。日常の購買活動の見直しから、人と環境に真摯に向き合う確かな選択を広げていくサポートを、私たちはこれからも続けてまいります。