ホテルが取り組むべきアップサイクル戦略|現場に無理のない設計でゲストの満足度とブランド価値を美しく両立する方法

ホテルが取り組むべきアップサイクル戦略|現場に無理のない設計でゲストの満足度とブランド価値を美しく両立する方法

ホテル運営において、客室アメニティやプラスチックごみ、食品残渣など、日々発生する廃棄物の処理は、コストや環境負荷の観点から深く向き合いたい大切な経営課題の一つではないでしょうか。近年、ゲストの環境意識が世界的に高まるなかで、単なる「ゴミの削減(リデュース)」にとどまらない一歩進んだ取り組みこそが、これからも選ばれ続けるホテルであるためのひとつの鍵になるのではないでしょうか。

そこで今、宿泊業界で注目が集まっているのが、廃棄物に新たな命を吹き込み、価値の高い製品や体験へと昇華させる「アップサイクル」という優しさにあふれたアプローチです。しかし、「環境に良いのは分かるけれど、現場のオペレーションに負担が増えてしまうのではないか」「ホテルの世界観や上質なおもてなしの空間と相反するのではないか」と、一歩踏み出すことに躊躇される運営担当者様も少なくないかもしれません。

私たちMiYO ORGANIC(ミヨオーガニック)が掲げているスローガンは、「Less Plastic, More Pleasure(もっと楽しく、プラスチックを減らす)」。環境配慮を我慢や義務にするのではなく、お使いになる方が喜びを感じながら、自然と持続可能な選択を行えるような心地よいライフスタイルをそっと提示しています

宿泊業におけるアップサイクルとリサイクルの決定的な違い

ホテルで資源の循環を検討される際、まずは「リサイクル」と「アップサイクル」の違いをあらかじめ整理していただくことで、これからの計画がよりスムーズに進むかと存じます。どちらもサステナブルな運営に欠かせない視点ですが、その目的や価値の生み出し方は少しずつ異なります

「原料に戻す」リサイクルと、「付加価値を高める」アップサイクル

  • リサイクル(守りの循環)
    使用済みの素材を回収し、一度原料レベルに戻してから再利用する手法を指します。ペットボトルを別のプラスチック製品や衣類に再生する手法などが代表的ですが、再処理の工程で多くのエネルギーが必要となったり、元の製品よりも用途や品質が少し限定(ダウンサイクル)されたりする側面も持ち合わせています。
  • アップサイクル(攻めの循環)
    役割を終えたものや副産物に、デザイン性・ストーリー性・地域性という新たな調達・クリエイティブの価値をそっと添えて、元の状態よりもさらに魅力的な製品や体験へと昇華させるアプローチです

裏方の資源管理から「ゲストの満足度を高める」ブランド体験への転換

リサイクルが「裏方のコストや資源の管理」に繋がりやすいのに対して、アップサイクルは「フロントステージでホテルの姿勢や独自のストーリーを伝える価値創出」と言えるのではないでしょうか

環境への配慮がホテルを選ぶ大切な基準になりつつある現代において、客室やパブリックスペースなど、ゲストの視界や体験に届く形でアップサイクルを取り入れることは、他施設様との心地よい差別化要素となり、ホテルのブランド価値向上にも深く結びついていくものと考えております。

ホテルアメニティの存在定義を使い捨てから「特別なギフト」へ

客室アメニティは、ゲストがホテルのおもてなしや環境への姿勢を間近で体感する大切な接点です。MiYO ORGANIC(ミヨオーガニック)は、アメニティを単なる「使い捨ての消費物」から、ゲストの記憶に残る「特別なギフト」へと、その存在定義を新しく書き換えていきたいと考えています。

ゲストが思わず「持って帰りたい」と感じる付加価値のデザイン

従来のホテルアメニティは、滞在中に消費されてチェックアウト後には廃棄されてしまう「使い捨ての消費物」という側面が強かったかもしれません。私たちが目指しているのは、ゲストが「お土産として自宅に持って帰りたい、大切な人にプレゼントしたい」と感じていただけるような「特別なギフト」への存在定義の変更です

お部屋に入った瞬間にテンションが上がるような洗練された美観と、一切妥協のない使い心地を備えたアメニティは、環境配慮を押し付けにせず、心豊かな滞在体験としてゲストの記憶に優しく残り続けるのではないでしょうか

調達から廃棄までを一本の線でつなぐ「循環型調達戦略」

アップサイクルをより良い形で成功させる前段階として、そもそも「廃棄された後に資源転換しやすい素材」を調達段階から選定しておくという視点もおすすめです

石油由来のプラスチック中心のアメニティから、竹や紙など再生しやすく環境負荷の低いオーガニック素材へ切り替えることで、運営や廃棄にいたる後工程の選択肢がぐっと広がります。最初から循環を計算に入れた調達(プロダクトデザイン)を行うことが、ホテル全体のサステナブル戦略を支えるしなやかな土台となるのではないでしょうか

【事例紹介】ザ・リッツ・カールトン東京様×MiYO ORGANIC

最高級のホスピタリティを提供するラグジュアリーホテルにおいて、具体的にどのようにアップサイクルが社会実装されているのか、実際の共同プロジェクトをご紹介いたします。

使い捨て竹割箸を「Kidsブロック」へ変える資源転換

MiYO ORGANIC(ミヨオーガニック)は、ザ・リッツ・カールトン東京様と協働し、館内レストラン等でお食事の際に使用された「竹割箸」を、アップサイクルプラットフォーム「Trash to Treasure」を通じてお子様向けのブロックへと再生し、上質なプロダクトへと再生するお手伝いをさせていただきました。

通常であれば一度のお食事で廃棄されてしまう竹割箸 。 「ホテル内から生まれる廃棄物を可能な限り減らし、有効に活用したい」というホテル様の誠実な想いを形にするため、私たちは子どもたちの創造性を育むサステナブルな「Kidsブロック」を共同で開発いたしました

完成したブロックは、同ホテルの由緒あるお子様向けアクティビティプログラム「Ritz Kids」内で活用され、ホテルを訪れるゲストの皆さまへ価値ある体験として還元されています。(prtimes.jp

お食事の際に使用された竹割箸がブロックになるまで

廃棄予定だった竹割箸が、どのようにして子どもたちの創造性を育むブロックへと生まれ変わるのか、そのプロセスをご紹介いたします。

竹割箸を使用】
ザ・リッツ・カールトン東京様のレストランで、お食事の際に割り箸が使用されます。
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竹割箸を回収】
使用済みの割り箸は、他の廃棄物と分けて丁寧に分別され、回収されます。

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【洗浄・乾燥】
回収された割り箸は、新しいおもちゃのブロックになるべく、就労支援事業所に運ばれます。ここでは衛生的な原料を確保するため、丁寧に洗浄や乾燥が行われます。

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【ペレット化】
洗浄・乾燥された割り箸は、細かく砕かれ、ペレット状の素材へと加工されます。

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【成型】
ペレット状になった竹素材は、成形され、子どもたちが楽しく安全に遊べるサステナブルなブロックの形に生まれ変わります。

ホテルが外部への情報発信で大切にしたい2つの約束事

環境配慮やアップサイクルの取り組みをホテルの新しいブランド価値として社会に届けていく際、その価値を優しく、正しく伝えるために、立ち止まって確認しておきたい大切な約束事が2点あります

実体を伴わない誇張表現「グリーンウォッシュ」の排除

科学的な根拠が曖昧なまま、誇張を含んだ「地球に優しい」といった安易なエコロジー訴求を行ってしまうと、企業の信頼を大きく損ねる(ブランド価値の失墜につながる)重大なリスクとなりかねません。透明性の高い情報提供を第一に考え、削減できたプラスチックの量や明確な回収ルートなど、確かなデータとスキームに基づいた誠実な情報発信が求められます。

サプライチェーン全体における基本的人権の尊重

製品調達や加工プロセスにおいて、関わるすべての人々が健やかに働ける環境を守ることは、サステナブルな活動の基本です。国内外の契約工場からパートナーである福祉事業所にいたるまで、人権や適正な労働環境が守られていることは、ホテルのサステナブル調達(CSR調達)において欠かせない前提条件と言えます。

現場に無理のない設計から、ホテルの新しい価値を創る

ホテルにおけるアップサイクル戦略は、壮大な仕組みを一度に構築しなくても、十分に始めていくことができます。大切なのは、理想を大きく描きながらも、まずは客室アメニティの調達や特定の廃棄物の回収など、「現場のオペレーション負担が少なく、かつゲストに最も伝わりやすい領域」から小さく試してみることです。

環境への誠実な想いと、ホテルならではの上質なおもてなしの融合。その両方を現場に無理のない形で、長く、笑顔で続けていけるよう、私たちMiYO ORGANIC(ミヨオーガニック)がサポートいたします。

私たちは、社会や環境に配慮した公益性の高い事業活動を行う企業として、国際的な認証制度である『B Corp認証™』を取得しています。素材の背景やつくり手にどこまでも誠実に向き合い、使う人はもちろん、関わる誰もが心地よくいられるモノづくりを通して、これからもホテルの皆さまのパートナーであり続けたいと願っております。

貴施設の調達・廃棄物に関わる課題や、サステナブルなブランディングについて、まずはどうぞお気軽にご相談ください。

>>MiYO ORGANICが展開するアップサイクルプラットフォーム「Trash to Treasure」

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