廃棄物を「企業の資産」へ。ミヨオーガニックのアップサイクルプラットフォーム「Trash to Treasure」が拓く循環の未来

廃棄物を「企業の資産」へ。ミヨオーガニックのアップサイクルプラットフォーム「Trash to Treasure」が拓く循環の未来

事業活動において日々大量に発生する廃棄物。処理コストの高騰や環境負荷への対応は、今や多くの企業にとって避けて通れない深刻な経営課題となっています。そんな「捨てるしかなかったゴミ」に新たな命を吹き込み、企業価値を高める「宝物」へと生まれ変わらせる仕組みが、株式会社ミヨオーガニックの展開するアップサイクルプラットフォーム「Trash to Treasure」です。

本記事では、Trash to Treasureの考え方、アップサイクルが今求められる背景、受賞内容と開発ストーリー、さらに具体的な対象素材や実績まで、わかりやすくご紹介します。モノを長く大切に使う選択が、企業活動にも新しい価値をもたらすことを、ぜひ感じてみてください。

Trash to Treasureとは モノを長く使うアップサイクルの魅力

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モノを長く使っていますか? リペアやリメイクの重要性

私たちの暮らしや事業活動は、便利さと引き換えに多くの資源を消費しています。環境省が発行する『令和5年版 環境白書』によると、日本の産業廃棄物の総排出量は依然として高い水準にあり、最終処分場の残余年数も逼迫していることが指摘されています。まだ使えるものでも、古くなった、見た目が変わった、用途が合わなくなったという理由だけで手放されることは珍しくありません。けれども、モノの寿命は本来、購入した時点で決まるものではなく、修理や再加工、用途の見直しによって大きく延ばせます。

用語

意味・特徴

リペア

壊れた部分を直して使い続ける考え方

リメイク

形や用途を変えながら新しい価値を与える発想

アップサイクル

単なる再利用にとどまらず、元の状態よりも価値を高めて再生する

廃棄物として扱われていた素材が、空間を彩る内装材や家具、記念性のある備品に生まれ変わると、モノの見え方そのものが変わります。

この視点は、企業にとっても重要です。廃棄物処理はコストとして捉えられがちですが、素材の特性やストーリーを活かせば、ブランド体験を深める資産へ転換できます。たとえば、ホテルで使い古されたリネン類、商業施設の改装時に出た廃材、オフィスで大量に発生するクリアファイル、イベント空間で短期間だけ使用された装飾パネルなど、自社から出た具体的な素材が再び空間の一部として戻ることで、利用者に循環の実感を届けやすくなります。単なる環境配慮ではなく、企業姿勢そのものを伝えるコミュニケーションにもなるのです。

私たちミヨオーガニックは、もともとホテルアメニティの使い捨て構造に疑問を持ち、竹歯ブラシなど環境に配慮した製品づくりを進めてきました。私たちは、製品が生まれる前から手放された後までを見据え、サステナブルな素材や製法、アップサイクル活動を通じて豊かな暮らしを守ることを大切にしています。(miyo-organic.com)

モノを長く使うことは、我慢ではありません。修理して使う、形を変えて楽しむ、不要になったものに新しい役割を持たせる。こうした選択が増えるほど、捨てる前に考える文化が育っていきます。Trash to Treasureは、その文化を個人の意識だけに任せず、事業の仕組みとして実装しようとする点に意義があります。

また、制度面でも追い風があります。環境省のプラスチック資源循環法関連情報によると、設計から排出、回収、リサイクルまでライフサイクル全体で資源循環を進める必要性が示されています。さらに環境省の2025年度採択事業の公表資料によると、ワンウェイプラスチックの排出抑制や回収量拡大、先進的な社会実装モデルの形成が重視されています。(env.go.jp)(env.go.jp)

つまり今は、モノを長く使うことが理想論ではなく、社会実装の段階に入ってきた時代です。事業廃棄物を価値ある資源として見直す取り組みは、これからの企業活動において、ますます重要になっていくでしょう。

アップサイクルに関する最新ニュースと動向

アップサイクルへの注目は、ここ数年でさらに高まっています。背景にあるのは、廃棄物問題だけではありません。資源価格の変動、調達リスク、脱炭素経営への関心、そして消費者や取引先からの環境配慮要請など、複数の要因が重なっています。

経済産業省のサーキュラーエコノミー施策に関する発表によると、資源循環を単なる廃棄物対策ではなく、競争力のある経済システムとして位置づけています。(meti.go.jp) 経済産業省の『成長志向型の資源自律経済戦略』によると、世界のサーキュラーエコノミー関連市場は2030年までに約4.5兆ドルに達すると予測されており、資源循環は企業の競争力を左右する重要な経営戦略となっています。また、OECDの2024年公表資料によると、多くの加盟国で廃棄物発生量の増加が続いていることが示されており、従来型の大量生産大量廃棄からの転換が国際的な課題になっています。(oecd.org)

日本国内でも、アップサイクルは実証やイベントの段階から、事業モデルの構築へと広がっています。東京都の社会実装化事業の発表によると、リユースやリペアと並んでアップサイクルを体験し学べる場づくりが支援対象として示されました。(metro.tokyo.lg.jp) 行政が後押しするテーマになっていることは、企業にとっても大きな追い風です。

こうした流れのなかで、私たちが展開する「Trash to Treasure」は、単なる資源回収にとどまらない、事業廃棄物を回収して同一施設・事業内で使い続ける「心地よい循環のあり方」を生み出すためのプラットフォームとして誕生しました。

私たちが大切にしているのは、回収した素材を単に再生するだけではなく、アメニティや備品、インテリア、さらには建築資材といった幅広い分野へ、高いデザイン性を持って「実装」することです。資源の循環を可視化し、その空間ならではの価値を共に創り上げていくこと。それこそが、私たちがこれからの時代にふさわしいおもてなしの形として、お届けしたいアップサイクルの姿であると考えています。

アップサイクルの最新動向を俯瞰すると、今は単なる環境配慮の話ではありません。資源循環をどう事業価値に変えるか、どう空間やブランド体験にまで落とし込むかが問われる時代です。『Trash to Treasure』が、その問いに対して、わかりやすく具体的な形で応える取り組みとして、変革を後押しする一助になればと考えています。

Trash to Treasureを体現する受賞サービスと開発ストーリー

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サービスの概要とグッドデザイン賞受賞の背景

Trash to Treasureは、株式会社ミヨオーガニックが展開するアップサイクルプラットフォームです。最大の特長は、業界や素材を限定せず、事業活動のなかで出た廃棄物を回収し、アップサイクルによって再び同一施設または同一事業のなかに循環させる考え方にあります。単発のプロダクト開発ではなく、回収から再生、再配置までを含めた一連の仕組みとして成立している点が特徴です。

2024年10月22日、Trash to Treasureは2024年度グッドデザイン賞を受賞しました。受賞に際して評価されたのは、資源の循環を生み出しながら、デザイン性や柔軟性も兼ね備えたプラットフォームであることです。さらに、備品、インテリア、建築といった分野に横断的に展開できることも、実用性の高さとして受け止められています。(miyo-organic.com)

グッドデザイン賞は、見た目の美しさだけを評価する賞ではありません。社会課題への向き合い方、仕組みとしての完成度、使い手への価値、今後の展開可能性など、多角的な観点から審査されます。だからこそ、廃棄物を価値ある資源へ転換するだけでなく、それを施設や事業に戻して循環させるTrash to Treasureの設計思想は、現代的なデザインとして高く評価していただけたのではないかと考えています。

■グッドデザイン賞審査委員による評価コメント

「本サービスは、事業廃棄物を回収し、アップサイクルすることで同一施設または同一事業で循環させるプラットフォームである。単に持続可能性を意識するだけでなく、事業廃棄物や素材の種類によって適切な工場やデザイナーと連携する等、環境性とデザイン性の両立を意識した取り組みが評価された。アップサイクル製品として現在主に展開しているアメニティだけでなく、建材や家具等にも広げていくということで、今後の展開に注目したい。」

廃棄物を宝物へ:私たちが「Trash to Treasure」に込めた想い

「Trash to Treasure」の魅力は、単にサービスとしての分かりやすさだけではありません。私たちミヨオーガニック(MIYO ORGANIC)の原点は、ホテルで一晩使われただけで捨てられてしまうアメニティへの、切実な違和感にありました。この「もったいない」という純粋な想いこそが、私たちの代名詞でもある竹歯ブラシ開発の出発点です。

多くのアップサイクル事業は、既存の素材や技術から発想されがちです。しかし、私たちはまず「現場で起きている使い捨ての構造そのもの」に疑問を投げかけました。単にエコ素材へ置き換えるだけでは不十分です。使用後まで含めてどう循環させるか。私たちは「美しい地球を、次の世代へ」をテーマに、理想の循環モデルの実現に向けて日々邁進しています。

私たちの歩みと実装へのこだわり 私たちの活動は、一朝一夕で形になったものではありません。数年単位で積み重ねた研究と、現場での実装の延長線上に現在の事業があります。

  • 2018年12月: 開発開始。
  • 2019年: オランダ、ベルギー、台湾、中国など世界各国を巡り、研究開発と海外視察を実施。
  • 2020年1月: 外資系ホテルにてオーガニック竹歯ブラシを先行導入。
  • 2020年5月: ブランドローンチ。
  • 2023年4月: 株式会社ミヨオーガニック設立。
  • 2024年10月: 「Trash to Treasure」でグッドデザイン賞を受賞。

ホテルアメニティが抱える課題と真摯に向き合い、竹素材の可能性を一つひとつ模索しながら、多くのホテル様・法人様と共に経験を重ねてまいりました。こうした歩みのなかで得た学びを糧に、現在はアメニティの枠を超えた「事業廃棄物全体の循環」へと視野を広げ、皆様の想いに寄り添ったご提案ができるよう努めております。

アップサイクルを真に社会へ実装し、事業として成立させるためには、解決すべき多くの課題があります。効率的な回収の仕組み、素材ごとの最適な加工法、品質と安全性の確保、そしてコストバランス。さらには、その場所に置きたくなるような「デザイン性」まで、すべてを同時に満たさなければなりません。

資源を再生する技術は大切ですが、それだけでは「技術的な検証」で終わってしまいます。企業の現場で無理なく、そして長く続けていただくためには、導入のしやすさや空間との調和まで含めた「トータルな設計」が不可欠です。

「Trash to Treasure」は、こうした実務上の複雑な条件を一つひとつクリアするために生まれたプラットフォームです。理想を語るだけでなく、日々の業務の中でしっかりと機能する、地に足の着いた「実効性のある仕組み」であることを、私たちは何よりも大切にしています。

アップサイクルの事例

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「Trash to Treasure」は、ホテルアメニティの枠を超え、企業の事業活動から生まれる様々な廃棄物を、その場所ならではの価値へと変換しています。

1. ザ・リッツ・カールトン東京様:使用済み竹割箸のアップサイクル

館内のレストランから排出される「使用済みの竹割箸」を回収し、お子様向けの体験プログラムに活用できるプロダクトへと再生しました。

これまで廃棄されていた割箸を、最新のデジタル技術を駆使して、お子様たちが遊びながら環境を身近に感じられる「オリジナルブロック」へ。ホテルが大切にされている上質なサービス体験の一部として、新しい命を吹き込むお手伝いをさせていただきました。素材の循環が、次世代を担うお子様たちの豊かな学びへと繋がっていく。そんな「Trash to Treasure」の想いを具現化した事例です。

  • 循環素材: ホテル内レストランで使用された竹割箸
  • 再生プロダクト: リッツ・キッズ オリジナルブロック

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2. 日産自動車様(官民共同プロジェクト):エコキャップのアップサイクル

日産自動車様、長野県伊那市、そして私たちが連携し、地域の子どもたちが回収したペットボトルのキャップ(エコキャップ)を、新しい学びの道具へと生まれ変わらせる地産地消型のプロジェクトです。

伊那市内の小学校等で児童が回収したキャップを、同市内の社会福祉協議会にて洗浄・粉砕し、最新のデジタル技術を用いて「日産わくわくエコスクール」で使用するモデルカーを制作。自ら集めた素材が教材に変わるプロセスに参画することで、子どもたちが環境問題を自分事として捉えられる、新しい循環型の環境教育を共に創り上げています。

  • 循環素材: ペットボトルのキャップ(エコキャップ)
  • 再生プロダクト: アップサイクル版モデルカー(環境教育教材)

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まとめ サステナビリティを「企業の価値」に変えるパートナーとして

私たち株式会社ミヨオーガニックは、愛知県名古屋市の「STATION Ai」を拠点に、環境配慮型アメニティの製造やアップサイクル事業を展開しています。2018年の開発着手から、2020年のホテルへの先行導入、そして2024年の「Trash to Treasure」でのグッドデザイン賞受賞へと、一歩ずつ着実に資源循環の実装を進めてきました。

私たちの歩みは、製品を作って終わりではありません。2025年には、EcoVadis認証B Corp認証の取得、インパクトスタートアップ協会への加盟などを通じ、経営そのものが社会や環境に貢献する「誠実な企業」であることを追求しています。

仕組みで解決する、次世代の資源循環

ブランド「MiYO ORGANIC」で培った素材選定とデザインの知見は、「Trash to Treasure」というプラットフォームへと進化しています。

アップサイクルは、単なる環境負荷の低減だけが目的ではありません。企業の想いを形にし、訪れる人の体験を豊かにするものであってこそ、真に持続可能な活動になると私たちは考えています。

「捨てる」という選択肢を「新しい価値を生む」というチャンスへ。 Trash to Treasureは、そんな前向きな循環を共創するサービスです。これからの時代、サステナビリティを負担ではなく「価値創造の源泉」へと変えていくために。私たちミヨオーガニックは、これからも現場に即した実効性のあるソリューションを提供し続けます。