2022年の「プラスチック資源循環促進法」施行以降、ホテル・旅館等の宿泊施設において「サステナブルアメニティ(環境配慮型アメニティ)」への切り替えが急速に進んでいます。
しかし、調達・仕入れの現場では「木製・竹製・バイオマスプラスチックなど、どの素材を選ぶべきか分からない」「コストや耐久性、使い勝手のバランスに悩みがある」といった声も少なくありません。
本記事では、サステナブルアメニティ導入の背景をはじめ、代表的な3つの素材(木製・竹製・バイオマスプラ)の特徴比較、失敗しない仕入れ時のチェックポイントをわかりやすく解説します。脱プラ対応と顧客満足度の向上を両立させたい調達担当者様の参考になりましたら幸いです。
なぜ今、ホテル業界で「サステナブルアメニティ(環境配慮型アメニティ)」への切り替えが進むのか?

法令遵守(コンプライアンス)と環境配慮ニーズへの対応
「プラスチック資源循環促進法」により、宿泊事業者には客室で提供する使い捨てプラスチック製品(歯ブラシ、ヘアブラシ、カミソリ、コーム、シャワーキャップなど)の削減・リサイクル等の取り組みが義務付けられました。
法令対応はもちろんのこと、近年のサステナビリティ意識の高まりに伴い、環境配慮に積極的なホテルを選ぶゲスト(宿泊客)が増加しています。従来のプラスチック製から環境配慮型素材への切り替えは、リスク回避だけでなく「選ばれるホテル」になるための必須施策といえます。
ホテルのブランディングと滞在体験の向上
これまでアメニティは「単なる消耗品」として扱われがちでしたが、現在では客室の洗面スペースを彩り、ホテルの姿勢やコンセプトを直感的に伝える重要なタッチポイントとなっています。
温かみや質の高さを感じる環境配慮型素材のアメニティを導入することで、「細やかで心遣いの行き届いたおもてなし」という好印象を残せます。これにより、ブランド価値やロイヤルティ(再訪意向)の向上にも貢献します。
【素材比較】木製・竹製・バイオマスプラスチックの特徴と違い

環境配慮型アメニティの素材は、大きく分けて「天然素材(木・竹)」と「プラスチック代替素材(バイオマスなど)」の2つのアプローチに分類されます。それぞれの特性を理解し、自館のコンセプトや運用に適した素材を選ぶことが大切です。
【素材比較表】
環境配慮型アメニティには、大きく分けて『木や竹などの天然素材』と『バイオマスや再生プラスチックなどの代替素材』の2つのアプローチがあります。貴館のコンセプトに合わせて選ぶことが大切です。
| 比較項目 | 木製(ウッド) | 竹製(バンブー) | バイオマスプラスチック |
| 見た目・質感 | 木目の温かみがあり、落ち着いた高級感を演出 | ナチュラルでモダン、洗練された印象 | 従来のプラに近く、馴染みやすい |
| 耐水性・耐久性 | 水分を吸いやすいため湿気対策に配慮が必要 | 繊維が強く折れにくい(※天然素材のため湿気・カビ対策は必要) | 高く、従来のプラ製品と同等 |
| 肌触り・使い心地 | 木のぬくもりと重厚感。表面加工により質感が変化 | しなやかで滑らか、肌触りが良く手に馴染む | 従来のプラ製品と同等 |
| 適用アイテム | ヘアブラシ、コーム、アメニティトレイなど | 歯ブラシ、カミソリ、ヘアブラシなど全般 | アメニティ全般(プラ代替品として) |
| 成育・生産サイクル | 30年〜100年(計画的な森林管理のもとで伐採) | 3年〜5年(短期間で再生する循環型資源) | 原料による(トウモロコシなど) |
| 環境配慮の視点 | 木材利用による炭素固定効果(長期的資源) | 非常に早い成長サイクルによるCO2吸収と高循環性 | 石油由来プラスチックの使用量削減に貢献 |
各素材の詳細と特徴
1. 木製(ウッド)アメニティ
木特有の重厚感と自然のぬくもりがあり、高級感のある客室インテリアに馴染みやすいのが魅力です。一方で、水分の吸収性が高いため、洗面回りでのカビや湿気対策として製品の仕上げ塗装・品質管理への配慮が不可欠です。また、木材は成長に数十年を要するため、FSC認証材などの適切な森林管理がなされた原料を選ぶ視点も求められます。
2. 竹製(バンブー)アメニティ
竹は繊維構造が非常に強固で、しなやかで折れにくい高い耐久性を備えています。滑らかに磨き上げられた肌触りは口元や肌に優しく、使用感にも優れています。さらに、竹はわずか3〜5年で成長する極めて高循環な資源であり、地下茎から次々と芽を出すため再植林の負担も少ない、現代のサステナブルアメニティの本命素材です。
3. バイオマスプラスチックアメニティ
植物由来の原料を配合した素材で、従来のプラスチック製品と同等の耐水性・耐久性を誇ります。湿気の多い浴室環境でも安心して使用でき、ゲストにとっても違和感のない使い勝手を提供できます。「まずは従来の使い心地を損なわずに脱プラを進めたい」という運用面の扱いやすさを重視する施設に適しています。
成長サイクルと環境負荷(サステナビリティの視点)
素材を選定される際は、原料が育つまでの「成長サイクル」に着目されるのもおすすめです。一般的な木材は、伐採後に再び成木となるまで数十年の時間を要するため、資源の保全を考慮した選定が大切になります。
一方で竹は成長が非常に早く、おおむね3〜5年で活用可能な大きさに育ちます。地下茎から次々と芽を出すため再植林の必要が少なく、持続的に活用しやすい資源として注目されております。サステナビリティを軸に据えたブランディングを行われる場合には、こうした背景も考慮されると説得力が高まります。
失敗しない!サステナブルアメニティ仕入れの5つのチェックポイント

アメニティの導入にあたり、スムーズな運用と品質維持のためにあらかじめ確認しておきたいポイントをまとめました。
1. 個包装の素材まで環境配慮がなされているか
アメニティ本体が天然素材であっても、包んでいるフィルムが通常のプラスチックでは「脱プラ」の訴求力が半減してしまいます。紙製パッケージやクラフト紙、バイオマスフィルムなどを採用しているメーカーを選ぶことで、トータルでの環境アピールが可能です。
2. 発注単位(ロット)と納期の柔軟性
ホテルの規模やバックヤードの保管スペースに合わせて、無理のない最小注文ロット(MOQ)で発注が可能かどうかも大切なポイントです。繁忙期などの需要変動に応じて、小ロットでの追加発注や短納期発送に対応してもらえるサプライヤーをお選びいただくと運用が安心です。
3. 名入れ・オリジナルデザインへの対応力
アメニティの持ち手部分やパッケージに、ホテルのロゴマークを刻印・印刷できるかどうかも重要な検討要素です。オリジナルデザインを施すことで、施設全体の統一感が生まれ、ゲストが「旅の思い出として持ち帰りたくなる」付加価値を創出できます。
4. 衛生管理基準と品質の安全性
ゲストの肌や口に直接触れるアメニティだからこそ、品質管理の体制もしっかりと確認しておきたいところです。防カビ剤や化学漂白剤を使用していない安全な製法であるか、検品基準や第三者機関での検査体制が整っているかなどをご確認いただくとより安心です。
5. 継続して導入できるコストパフォーマンス
サステナブルアメニティへの変更は、一時のイベントではなく長期的な運用となります。毎月のアメニティ予算内に収まる適正な単価設定であるか、長期的に安定して供給を受けられる体制が整っているかを事前にお確かめください。
【導入事例】環境配慮と満足度向上を両立したケーススタディ

実際にサステナブルアメニティへ切り替え、ブランディングと顧客満足度の向上を両立されている事例をご紹介します。
豊かな自然と調和するアメニティ体験(西発哺温泉ホテル様 × MiYO ORGANIC)
国立公園内に位置する西発哺(にしほっぽ)温泉ホテル様では、自然環境への配慮や持続可能な施設運営を重視されています。その一環として、客室のアメニティに竹製アメニティを採用されました。
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自然と調和するデザイン
温かみのある竹の風合いが、自然豊かなロケーションや施設の落ち着いた佇まいにしっくりと馴染み、お部屋のインテリアとしての美しさを引き立てています。 -
「持ち帰る」という新しい滞在体験
滞在中の使い捨てにとどまらず、「自宅でも愛用できる品質」を追求することで、チェックアウト後もホテルの想増や旅の思い出がゲストの日常に寄り添う、素敵なきっかけとなっています。
▼詳しくは、こちらの記事もご参照ください。
https://miyo-organic.com/blogs/journal/0529
コンセプトに合わせた選定で、新しい宿泊体験のご提供を
プラスチック削減に向けた取り組みは、単なる法令対応にとどまりません。ホテルの独自性を伝え、ゲストに心温まる滞在体験を届けるための前向きなブランディング施策となり得ます。
各素材の特性(耐久性・コスト・環境負荷・デザイン)を比較検討し、貴ホテルの世界観に最も寄り添うアメニティを選定してみてはいかがでしょうか。
サステナブルアメニティのサンプルキットのご購入・導入のご相談について
MiYO ORGANIC(ミヨオーガニック)では、ホテル・旅館様のブランディングと環境配慮の両立をサポートする、上質な竹製アメニティをご提供しております。名入れのご相談など、施設様のご要望に合わせた柔軟なご提案をさせていただいております。
「実際の質感や使い心地を手にとって確認したい」「アイテムごとの仕入れコストを比較したい」といったご担当者様は、どうぞお気軽にお問い合わせください。実際に製品をお確かめいただけるサンプルキットをご購入いただけます。
